2023年7月 第1回・定例会報告

2023年7月8日、大阪市天王寺区において、第一回「淀川水系 川魚と食文化を学び試食する」が行われました。

第一回のテーマは『淀鯉と天然青鰻』

第1部 近畿大学 細谷和海名誉教授による『淀鯉とそのルーツ』に関する基調講演

江戸時代にはすでに食用鯉として全国ブランドになっていた淀川の鯉(淀鯉)。在来種としての淀鯉の真価と価値を細谷先生に分かりやすく解説いただきました。

続いて第二部では、第一回のテーマである「淀鯉と青鰻」の試食。

試食にあたっては、かつての川魚料理をベースとしながらも現代でも美味しく食べられる料理法を大阪料理会から4名の料理人を招いて披露いただきました。

料理にあたっては食文化の観点から、大正時代の川魚料理店の品書き(大阪・柴藤)を元にこれを今様に再現。下は、例会の品書き。

<前菜> 淀川天然青鰻 三種盛   右から、『蒲焼』 中央が、毛馬胡瓜を使った、『うざく』。うざくとは、つまりは鰻と胡瓜のざくざく料理。大阪の夏の郷土料理のひとつ。一般的には三杯酢に仕立てるが、ここでは料理屋風に、和え混ぜ的な料理ではなく、毛馬胡瓜で鰻を挟んだ土佐酢仕立てとなっている。三品目が、『元祖 佃山椒煮』。家康の命により、淀川河口域の佃漁民が大阪から江戸へと移ったが、佃煮なるものは元来は佃村や福村などの漁民が小魚保存法としてあみだした料理法。その佃村にちなんだ天然鰻の山椒佃煮。 (料理担当:大阪北新地 割烹「味菜(あじさい)」店主:坂本晋氏)

<令和版 鯉濃汁(こいこく)>

鯉コクは日本料理における鯉の定番料理。ここでは鯉を4日間焚くことで濃厚な鯉出汁をひき、また骨も食せる柔らかさとしている。また、味噌を煮詰めるのではなく、ここでは粥を合わせることで旨味ととろみを増す仕上がりとなっている。  (料理担当:大阪北区 割烹「小嘉津」 店主:早川友博氏)

<鯉飴煮の卯の花蒸し高菜巻き>

鯉の飴煮もまた昔からよく食された料理だが、ここではその飴煮をさらに卯の花(おから)と合わせ、さらにこれを高菜で巻いた一品。鯉の旨味を雪花菜にのせることで現代人でも食べやすい美味な料理に仕上がってる。手前は昔料理のひとつ「針打ち生姜」。生姜を針打ちし焦がし砂糖で煮て飴色としている。

(料理担当 河内長野市 日本料理「喜一」 北野博一氏)

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定例会報告

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